新人社員研修

この時期になると、新人社員研修を行うことがあります。

新人社員研修は会社によってまちまちでしょうが、私のいる業界を見てみますと座学、実地研修等合わせておおよそ2ヶ月ぐらいの研修を行っています。

長い研修期間で新入さんが寝てしまうことはありませんか? 確かに長い時間、座学をやらされたり、このポカポカ陽気だと眠たくはなりますね。今年はWEB研修など行う会社も多いと思いますので、新人が研修に集中するかも難しい点ではあります。 最近はアクティブラーニングなども導入され、座学だけではなく参加型の研修も多くなってきていますね。 

ただ、こちらが趣向を変えて研修を行っても寝る人は寝ますし、アクティブラーニングを大学のサークルみたいに参加する人もいますし、なかなか全員に集中してもらうことが難しい場合があります。 

そのような場合、私はお金の話、この研修に掛かっている経費の話を新人さんにします。 新人さんはこの研修にどれだけのお金と手間がかかっているかあまり理解されていないと思います。 アルバイトでお給料をもらっていると思いますが、それは単純な時給であり経費は入っておりません。ですのでこの研修を行うためにどれだけのお金が必要なのが、経費、売り上げベースで大まかに説明します。 

例えば、50人の新人に対して、2ヶ月間、大阪の会議室で研修を行ったとします。 

単純な計算でかかる経費は以下の通りです。 

新人さんの会社の経費込みの時給はおおよそ4,000円くらいでしょうか?この時給には法定福利費や福利厚生費などが含まれますので、時給は手取りの大体2倍ぐらいを想定しています。 

1日当たりの人件費は8時間労働で、 4,000円×8時間=32,000円/人 となります。 

今回は50人の新人ですので、1日あたり1,600,000円の人件費がかかります。これが2ヶ月(稼働日40日)の研修ですので、1,600,000円×40日=64,000,000円が人件費となります。 

次に研修の場所代、1日30,000円として、2ヶ月(60日)継続使用となるので、 30,000円×60日=1,800,000円 

まだ配属されていませんので研修時のホテルも必要です。 ホテル代を1日5,000円とすると2ヶ月(60日)で 

5,000円×50人×60日=15,000,000円 

また、毎時間、講師をしてくださる先輩方に2ヶ月で40日 320時間も拘束します。 先輩方時給を6,000円とすると、1,920,000円のお金がかかっています。 

これら費用を合計すると、ざっと8,000万円の費用がかかります。 

新人さんからしたら、たかが2ヶ月の研修でこんなにお金がかかっているとは思ってもないでしょう。なおこれは必要経費ですので、この費用を捻出するためには売り上げが必要になります。売り上げ金額を経費を抜く前の粗利益で見ますと、粗利率が25%の場合、8,000万円の利益を生むためにはその4倍、3.2億円の売り上げが必要となります。たかが研修と思うかもしれませんが、その研修に売り上げ3.2億円で稼いだ利益が使われています。

私が知っているセールスさんの一年間の予算は、おおよそ8,000万円から1億円くらいですので、3.2億円の売り上げという事は、4人のセールスさんが一年間、フルで稼いだ利益をただ寝ている新人さんに費やしている、そういう計算になります。 研修後にセールスで配属される方は、来年、みなさんが一生懸命稼いだ利益を、同じようにただ寝ているだけの新人に使われることになります。8,000万円の利益を生み出すためには、何をどれだけ売れば捻出されるかわかると思います。

座っているだけでも経費が発生しており、その発生した経費は、会社のみんなが製品を販売してくれたおかげでそのお金が捻出されていることを理解しないといけません。

といった内容を話します。

景気が悪いためか新人さんもお金に対しては非常にシビアになっている傾向を感じます。それゆえにお金の大事さは理解していますので、お金の捻出方法が理解できると意外と新人の皆さんはピシッとされます。 なんでもタダではない事は初めからしっかり教える必要がありますね。 

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