製品のリサーチを行う際、皆さんはどのような場所で行いますか?リサーチを行う上でどのような情報を入手したいのかによってリサーチの場所も異なってきます。私は医療機器を扱っていましたのでリサーチを行う場合は、その内容によって下記の場所で複数回実施していました。
沢山の方から様々な情報を入手したい時
学会場:
医師、看護師、技師など全国の方から情報を得ることができる。 全国の地域の考え方の差なども確認することができる。
病院におられるときは外来、入院の患者様が常におられますので、患者様第一優先ですからなかなか時間も取れず、ディープなお話は困難でゆっくりお話ができません。その点、学会場であれば、聴講や発表されるとき以外は比較的時間に余裕があり、休憩会場などでゆっくりお話を聞くこともできます。また看護師さんは複数名で行動している場合も多く、展示ブース会場などでお声がけしますと、製品について皆さんでディスカッションがはじまったりし、当初想定した以上の色々な情報を入手することもできます。また、まったくの新規製品で、顧客とのコネクションが全くない状態でも、展示ブース会場、休憩スペースで突撃インタビューも可能です。多少勇気は必要ですが、病院内ではないので比較的フレンドリーにお話を聞いて頂けます。
KOLからの情報をより深く入手したい時
本社や自社の支店など:
お客様に今回のリサーチがより重要な案件であることを認識していただくことができる。
現在の製品の状況をより深く理解しただいた上で、製品だけでなく市場における現状や問題点を確認し、それを是正するための施策などをより深くディスカッションすることができます。
製品の使用方法、不具合など具体的な内容を入手するしたい時
施設訪問:
現場で実際に製品をご使用になっている方からの情報を入手することができる。また、各施設の実際の使用方法を具体的に確認することができ、開発当初に考えていなかった使い方、不具合、並びに不具合の発生機序なども確認、入手することが可能。
使用方法は現場によって異なることが多く、より詳細な使用方法を確認することによって、不具合の対応や新たなコールポイントを見つけることもできる。また施設の環境や使用目的に応じた製品ラインナップや製品コンセプトを見直すこともできる。1施設だけだと、その施設特有の偏った内容となってしまうため、複数の施設から情報入手が不可欠。全国で考えると時間も手間もかかるが、一番現場に近い内容が入手できる有益な方法です。
潜在的な情報を入手したい時
ホテル・会議場:
複数の方を集めて、ある製品についてディスカッションしていただき、皆が気づいていなかった新たな情報を引き出す。いわゆるグループインタビュー。 潜在市場は多くあると考えているが、なかなか製品の売り上げが伸びない場合など、売り方の問題なのか、製品自体が市場に合っていないのか、気づいていないコールポイントがあるのかなど、現場の方の情報を確認するために実施。
リサーチする場所やリサーチ件数は、製品によって異なりますが、1つの方法だけでなく、複数の方法を製品の開発状況やタイミングによって使い分けて行います。
今回、私が行なっていた方法をご紹介しましたが、その業種によってやり方はあるかと思います。それら方法に対して、少しでも参考になればと思います。