【製品が受け入れられないのであればまずは仮説を立てヒアリングを実施する】

販売している製品の適応を拡大したいと考えていますが、なかなかうまくいかないケースはありませんか?

また、海外ではたくさん使用されているにも関わらず、日本ではなかなか普及が進まないケースも多く見られます。そういった場合、なぜこの製品が日本では受け入れられないのか仮説を立てそれを検証する必要があり、その際にはまず現場の声を確認すべくヒアリングを実施します。このヒアリングが間違っているとその後の戦略に大きな影響を与えますので非常に大事な作業となります。

私の場合、がんの患者さんが使用する製品を取り扱っていましたが、海外ではたくさん使用されているにも関わらず、日本ではそれほど多く使用されることがありませんでした。

がん患者さんにはがんの進行するによりステージというものがあります。その進行具合によって、抗がん剤による治療(化学療法)などが選択されます。 

私の父親もスキルス胃癌で腹膜播種のあるステージⅣであったため、化学療法を行なっていました。化学療法は通常、腕の血管から抗がん剤を注射するのですが、非常に強いお薬もあり、注射したところでお薬が漏れてしまうと、漏れたところに炎症を起こしたり、ひどい場合は組織壊死を起こしたりすることがあります。 

また、お薬の注射は外来化学療法室と呼ばれるところで通常行われており、少なくても2-3時間程度、ベットで横になったり、椅子に座りながら持続的に注射します。また、大腸癌が肝転移した場合には、標準的な化学療法で46時間の持続注入が必要であったりします。さすがに外来ではできませんので入院したり自宅で行ったりするのですが、その際に中心静脈ポートという、500円玉程度の大きさのプラスチックの医療機器を胸に埋め込んてそこから注射を行うと、注射が終わればその医療機器から針を抜くだけで、あとは普段通りに生活ができるという医療機器もあり、私はそれを取り扱っていました。注射はその機器を介して毎回行うので、手は自由となり読書もできますし、トイレに行くなどある程度動いても問題もありません。普通の腕への注射だと腕を動かすと、針が動いてお薬が漏れる危険性等もありますが、そういった心配が少なくなるという医療機器です。私の父親も抗がん剤の治療と栄養剤の投与のため、この機器を使用していました。現在、日本では年間約100,000個程度販売されているようです。 

日本では、この中心静脈ポート(以下ポート)は先の大腸癌の肝転移の治療で46時間の治療を行なう場合に自宅での治療でよく使用されています。 一方、米国では大腸癌だけでなく、乳癌の治療においてもこのポートがたくさん使用されています。米国で乳癌の治療のためにポートが使用されている理由は、大きくは下記のような理由があるようでした。 

  • 抗がん剤の中には壊死性抗抗がん剤と言われる、皮下にお薬が漏れてしまうと、組織を壊死させる非常に強い薬も使用される。その際、腕への注射だと長時間の注射の際に皮下に漏れてしまうリスクが大きい。 
  • 長期間治療することにより、腕の血管が脆弱化してしまい、針がちゃんとさせなくなることもある。それによってお薬が漏れてしまうリスクが上がる。
  • 高齢になると血管が脆くなるので、お薬が漏れるリスクが上がる。
  • 腕への注射の場合、お薬の影響で腕に痛みが頻繁に発生することがある 。

上述のような理由を回避するというメリットがあるにも関わらず、日本ではあまり多く使用されていません。日本と米国との使用方法の違いは何なのかがよくわかっていませんでした。そこで日本の患者さんがどのように感じて治療を行なっているかを医師や看護師さんからヒアリングを行いました。 

まず、ヒアリングを行うにあたり、仮説を立て、ヒアリングシートを作成していきます。

仮説の設定 

日本人は、歯でもそうですがインプラントを嫌がる傾向があります。 

シンプルに痛そうですし、異物を留置することをあまり好みません。これは年齢、男女問わず皆さん感じていることかと思います。何となく怖い、何かあったらどうしよう、などのイメージでしょうか。 

一方、海外では治療における安全性、利便性など治療効率も考慮し、必要に応じインプラントは使用され患者さんも理解してくれるようです。日本ほどたくさんの病院がないこともあってか、在宅治療やかかりつけ医での継続治療が進んでいる部分もあるかと思います。

また日本と比べると治療において問題が発生した場合の患者さんとの訴訟も多いので、抗がん剤治療における患者さんに発生するリスク(お薬が漏れたりすること)を考慮し、腕への注射よりポートで起こるトラブルの方が小さいと判断された場合、安全性を考慮してポートが選択されます。リスクとベネフィットを考慮した上での治療方法の決定です。 

この点は日本人とは考え方少しが異なると感じています。 

コロナワクチンについてもそうでしたが、日本人はベネフィットではなくリスクを優先し物事を考えます。 テレビでコロナワクチンで何人の副反応があった、死亡したなど目にしますが、コロナにかかって亡くなる方がワクチンで死亡するより1,000倍以上発生率が高いのにもかかわらず、テレビの情報からコロナワクチンでの死亡者数に恐怖を覚えがちです。副反応に関しても、SNSのフェイクニュースの情報を鵜呑みにし、怖い、危ない、などの感情論で判断してしまうこともあり、真の情報を確認することもしないまま判断していることも多いのではないでしょうか。 

私もそうですが日本人はどうしてもネガティブな面を先に考えてしまいがちであるため、リスクとベネフィットを考慮して前述のインプラント製品を理解してもらうのはなかなかハードルが高い状況と考えていました。 

ちなみに、なぜ日本ではインプラント製品であるポートが大腸癌でよく使用されているかというと、標準的な治療方法がポートを使用した方法で、また最も効果が高い治療方法であるため、どこの医療機関でも行われるようになったからです。 

乳癌ではお薬の使用方法に対しては標準治療が確立していますが、それを使用する医療機器は特に決まったものはなく、一般的に使用されている注射が第一選択となっています。なかなかポートに対する情報もお持ちではない、ということですね。そこで患者さんがポートに対してどのような情報や考えを持っているかを確認することとしました。直接患者さんにヒアリングを行うことはできませんので、今回は医師へのヒアリング調査を実施しました。 

仮説は、現状の使用環境から想定して以下の①〜④の項目に分けて検討しました。

①現状の患者さんの理解度について 

仮説:おそらく患者さんはポートは知らないか何となく聞いたことはあるといった状況。注射のためにわざわざインプラント製品を埋め込もうなど思ったこともない。

  1. ポートが何かよく知らない
  2. ポートをインターネット等で見たことはある。
  3. ポートのことは知っているが、インプラントを体に埋め込むことには抵抗がある。

②現状の治療についての確認 

仮説:他の患者さんも普通に腕から点滴治療しているので、自身の治療に対して特に違和感を感じたことはない。

  1. 腕から抗がん剤を注射する方法で行っている。
  2. 周りの人と同じような治療方法なので、特に違和感を感じていない。
  3. 腕からの注射による問題は発生していないので、特に何も感じていない。

③現状の問題点について 

仮説:患者さんの中で、一定の注射に関しての問題(副作用や合併症)は発生している。注射されている腕に多少の違和感はあるものの、他の人も同じような状態なので、このようなことが起こることは普通の状況と感じている。

  1. 毎回の点滴の際に腕に痛みや痺れを感じている。
  2. 点滴の際に痛みや痺れはあるが、他の人も同じような状況である。
  3. 点滴の間、針が抜けないようにあまり動かないようにしている。
  4. 長期間の治療で腕の皮膚が変色したり、硬くなったりしている、または変色したり、硬くなっている人を知っている。
  5. 抗癌剤が漏れて、炎症や壊死を起こしたことがある、または起こした人を知っている。
  6.  いつもの血管からの注射が難しくなったので、別の血管から注射している。 

④治療に対する本音に関する部分

仮説:みんな注射する腕に多少の痛みはあると思うが、可能であれば痛くない方が良い。痛みや痺れがあるので続けることが少し嫌にはなっているが、仕方がないので頑張って治療を続けている。他の方法があるのであれば多少興味はある。

  • 治療は続けたいが、抗がん剤注射の痛みなどで、治療が少し嫌になってきている。
  • 可能な限り現在の治療を続けたいと感じている。
  • できればもう少し楽な方が良い。 
  • 他の注射の方法があれば試してみたい。
  • 医師、看護師さんから情報を聞きたい。

これらの仮説から、それを検証するためヒアリングシートを作成しました。

ヒアリングする医師の選定 

ヒアリングを行うにあたり、どのような医師にヒアリングを実施するか検討していきます。 

本来は、患者さんから情報を入手したいところですが、直接患者さんからヒアリングは行えませんので医師が考える情報と同時に患者さんの情報も入手する必要があるので、下記の条件を設定して医師の選定を行いました。 

  1. 化学療法の治療経験を持ち、患者さんを診察している現場で治療に携わっている医師 
  2. 乳癌についてのヒアリングであるため、乳腺外科、腫瘍内科医など、乳がんに対する治療を専門的に行っている 
  3. その医師個人の考えだけに囚われず、関係者の意見も考慮した情報を入手したいので、看護師なども取りまとめている医師(例えば化学療法室のセンター長など)
  4. 学会等である程度の影響力、発言力を持ち、他の先生の情報も入手している。 

この条件に当てはまると考えられる医師の選定を行いました。 

ヒアリング場所設定 

 病院では日々の業務もあり、なかなか長時間、医師のお時間を頂けません。学会等でも発表や他の先生とのディスカッションもあるので時間は取りづらいでしょうし、また今回のヒアリングは大きな販売促進戦略の一つとして捉えていたので、会社としてプライオリティも高く、医師に対しても非常に重要な案件である事を感じて頂くため、本社までお越しいただき、実施する事としました。 

ヒアリングシートの作成 

ヒアリングシートは仮説を検証(確認)するために作成します。 

セミナーなどで行うアンケートでは数も多く、定量分析ができるので、「悪いを1」、「良いを5」のように点数をつけ、5段階にすれば評価可能です。今回のヒアリングでは数人の医師へのヒアリングを実施する予定でしたので、定性的に評価するため、コメントを追記できる部分を重視して作成しました。 

質問については、SPIN話法である、Situation Questions(状況質問)、Problem Questions(問題質問)、Implication Questions(示唆質問)、Need-Payoff Questions(解決質問)を応用して作成していきました。その方が問題点と解決点がより明確になると考えたからです。 

SPIN話法とは:

SはSituation (状況質問)、PはProblem(問題質問)、IはImplication (示唆質問)、そしてNはNeed-payoff (解決質問)という4種類の質問を会話に取り入れる営業話法となります。SPIN話法では、まずは顧客を取り巻く現状を確認し、顧客が抱えている問題(=潜在的ニーズ)を洗い出し、顧客の抱える問題がいかに重要であるかを把握してもらい、そしてその問題を解決した際に得られるメリットについて認識してもらうという基本的な流れに沿って質問を投げかけていきます。

状況質問(現状について) 

病院ではどのような治療を行っていて、どれぐらいの患者さんがいて、どれぐらいポートが使われているのか、どれぐらい患者さんがポートを知っているかの確認していきます。 

  • どれぐらいの癌患者さんが外来化学療法室で治療をされていますか? 
  • その中で乳癌の患者さんはどれぐらいおられますか? 
  • 乳癌患者さんの抗がん剤投与のメインルートはどこでしょうか? 
  • 乳癌患者さんは、今の治療についてご不満等お持ちでしょうか? 
  • 乳癌患者さんでポートを使用している患者さんはどれぐらいおられますか? 
  • 乳癌患者さんはポートについて、何らかの情報をお持ちでしょうか? 
  • それはどこから得られた情報でしょうか? 
  • 乳がんの患者さんはポートに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか? 

問題質問(顧客が抱える問題、課題や不満について) 

  • 抗癌剤が漏れて、炎症や壊死を起こした患者様はおられますか? 
  • 注射していた血管がからの注射が難しくなったので、別の血管から注射している患者さんはおられますか? 
  • 点滴の際、もしくは治療後に腕に痛みや痺れを訴える患者さんはおられますか? 
  • 患者さんは点滴中、トイレなど行くことに問題はないですか? 
  • 患者さんは点滴中、どのように時間を過ごしておられますか? 
  • 患者さんは注射した腕が変色したり、皮膚が硬くなったりなど相談を受けますか? 
  • 患者さんどうして不安や不満など話されていますか?それはどのようなことですか? 

示唆質問(顧客が抱える問題から派生する結果や影響について) 

  • 患者さんから他の治療法について相談を受けたことはありますか? 
  • 患者さんが治療を中止したいと相談されたことはありますか? 

解決質問(問題に対する解決方法) 

  • ポートが患者さんの不安の解消に役立ちませんか? 

質問としては上記のような内容をもう少し簡潔にまとめて実施しました。イメージとしては「真のニーズ探し出し、そのニーズにあった製品を提案する」といったストーリーになっています。ただ今回、これらの質問はあくまで真の目的を探るための序章的な質問となります。

今回、本当に確認したい部分は、これらの質問以降となります。

最後の解決質問では、医師は「ポートは患者さんの不安や不満も解消できる」と回答いただけると、程度想定していました。しかし、現状は使用されていないわけですから、本当に知りたいのはその後の真の問題点、「患者さん問題を解決できる製品であるにも関わらず、現状はごく一部しかポートは使用されていません。そのギャップはなぜ発生しているのか?」が、今回のヒアリングの真の目的となります。 

そうすると、 以下のようなコメントが出てきました。

  1. 患者さんは、患者さん同士で情報を共有している。 
  2. 患者さんはポートの事はなんとなく知っている。 
  3. 本当に穿刺が難しい場合は患者さんにポートの説明するが、初めは腕の血管で注射できるので、初めから積極的にポートの話はしていない。
  4. 患者さんから要望があれば拒むものではない。
  5. ポートを使った方が良い患者もいるが、患者さんに手術をする時間が取れない。 
  6. 手術室の確保ができない。

などでした。

ここから見えたポイントは2つ、1つは「患者さんへの情報提供及び共有」、もう一つは「医師側のインフラの整備」です。

ヒアリング結果のように、初めは腕の血管から普通に注射を行うという考えは妥当かと思います。ただ、それが当たり前となり、それ以外に何も方法がないように患者さんが感じてしまわないようにしなければなりませんでした。

ヒアリングでは、「患者さんから要望があれば拒むものではない」との意見もあったので、であれば「患者さん自らが情報収集を行い、先生にポートの提案ができるような環境を作る」ことが1つ目のポイントかと考えました。また、患者さん同士で情報交換しているようなので、「同じ情報を共有する環境を作る」ことも重要と考えました。

まず、「同じ情報を共有する環境を作る」に関しては、情報を患者さん同士で共有してもらうことが目的なので、プロモーション戦略としては非常に月並みな方法をとりました。

例えば、診察室や外来化学療法室など、目に着くところに貼り付けるポスターの作成。 待ち時間や治療中に読んでもらえるよう、イラストで説明した簡単な冊子の作成、などです。今であればそれらにQRコードをつけ、特設サイトにリンクさせる方法もとれます。 

 また乳がん患者さんは比較的若い患者さんも多く、仕事をお持ちで仕事から帰ってからも子供さんのお世話や家事などでバタバタされて、ゆっくりと情報収集できる時間が取れないと考えられます。わざわざPCを立ち上げて情報を収集することはしないでしょう。また病院までの移動はバス、電車、タクシーを利用している人が多いと考え、その移動時間中に調べられるように、スマホ版の情報サイトの開設しました。

次に「医師側のインフラの整備」についてですが、外来化学療法室の医師が自ら手術するとなると、手術室をおさえたり、入院手続きをしたり手間がかかります。しかし例えば、既に同じ病院でポートを留置している外科の先生や他科からの依頼でポートの留置を行っている放射線科の先生がいるのであれば、その先生に手術をお願いすれば先生の業務負担は発生しないので、ここを橋渡しすることで埋め込みをスムーズに行うことができると考えました。

結果は?

さて、このようなヒアリングを行い、ポートの使用を促進させようと試みましたが、結果は思うように販売数量を伸ばすことができませんでした。

医師側のインフラ整備については、こちらが仲介に入り、外科医、放射線科医の状況を確認することによって何曜日だと都合が良いなど情報を収集した上で、スムーズに連携が取れるケースが多かったように思います。

一方、患者さん側の情報提供については、ポスター、冊子、ホームページ開設等のプロモーションを行い、webサイトのアクセス数からも患者さんのポートの理解は以前より進んだと思いました。患者さんからの先生への問い合わせ増えたと伺いました。それにより、血管状態が悪い患者さんはより早い段階でポートを使用されるようにはなりました。これで少しは患者さんのQOLの向上にお役に立てたのかなと考えています。しかし、各施設で以前より2倍のポートを使用する、といった拡販までには至りませんでした。その理由として次のように考えています。

  • 患者さんは、多少腕に痛みや痺れなどがあっても、同じような他の患者さんがいるので、その同調圧力もあって自分もギリギリまで同じ治療を続けてしまう。
  • インターネット等で情報を入手した際に、ポートに対しての不具合などの情報も入手し、デメリットが先行してしまった。またそれに対して患者さんへメリットを訴求できなかった。
  • 男性に比べ、女性の方が痛みに耐えることができる。また、痛みに耐える、治療は痛いものだという美学が根強くあった。

出産でも産後の早期回復、痛みの軽減から無痛分娩という選択がありますが、米国、フランスでは70%も無痛分娩を行っているにも関わらず、日本ではたった6.1%(2018年現在)しか行われておりません。無痛分娩は「甘え」だとか「ずるい」など、科学的根拠のない日本特有の慣習で批判されたりします。ポートも同様で、皆で痛みに耐えてがんに立ち向かっていきましょう、という考えやポートを使用してトラブルが発生した場合に「そんなの使うから」と自分だけ批判されたりするリスクなども考えてしまい、皆と違うことをあまりしない行動となってしまったと考えています。

また、日本人はリスクとベネフィットについては、まずリスクを第一に考え、またそのリスクは論理的ではなく感情的な考えも多く、そのリスクがベネフィットを上回り、新たなことが否定される、といったことも数多くあります。ポートについてもリスクがベネフィットが上回ってしまい、それは論理的根拠を凌駕した「なんとなく怖い」というような漠然とした不安によって、ベネフィットが消されてしまったように思います。

今思うと、同調圧力があるのであれば、その同調されている方全員に対して他の情報発信の方法、例えば患者会やセミナーなどで多くの患者さんに同時に情報を共有し、それが患者さんの会話の中に出るようにすればよかったかもしれません。その方がメリット、デメリットでも話題に上がることで患者さん同士で情報共有ができたと思います。その中で患者さん全体の意見として「ポート良いかも」と少しでも感じてもらえれば、もう少し患者さんのイメージが変わったかもしれません。

最後に

今の時代であれば、ほとんど患者さんはスマホを持っていますので、患者さん自身や他の治療を受けているかたがtwitterやInstagramなどで発信された情報、またそれに対するフォロワーのコメント等で「ポートのメリットを知る」ということもあるかもしれません。また、実際にポートを使用されている患者さんの情報も簡単に確認できるかもしれません。私が担当していた当時より格段にSNSが普及していますので、今、もし同じようなプロモーションを行ったとしたら、SNSの環境によって、ポートは患者さんにより身近で認知された製品になっていたかもしれません。

大変な治療している患者さんはみなさん仲間であり戦友です。そういったグループ全体に共有できる情報を全員にインプットすることで、共有された情報に対してメリットを感じていただければ、新しい治療方法も受け入れやすくなったのではと考えています。

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