人を動かすためには、動いてもらうための「価値」が必要かと思います。
2022年6月8日現在、3回目のワクチン接種率は60.0%であり、一ヶ月以上大きく接種率は上がっていないようです。1回目、2回目の接種時、ワクチン接種券が届かなくてあれだけ揉めたのにも関わらず、3回目の接種は国民の半分程度しか接種していないのは一体なぜでしょうか?そういったな中、大阪では4回目のワクチン摂取券を配るようです。もちろん医療従事者には必須と思いますが、一般の方の接種はかなり限定的ではないでしょうか。
なぜ、1回目、2回目と違い3回目の接種は進まないのでしょうか?私はシンプルにワクチンを接種する「価値」を国民は感じていないからではないかと思います。
「価値」=「得られるメリットや対価」/「行う犠牲や労働・出費」
として考えることができると思います。
行うことに対する「犠牲や労力」と「得られるメリットや対価」を比べ、分子である「得られるメリットや対価」が大きいと「価値」が大きくなります。
皆さん海外旅行に行くとき、色々めんどくさい準備を行いませんか?
例えばアメリカに旅行に行く場合だと、パスポートの準備、ESTAへの登録、飛行機、ホテル、レンタカーの予約、ドルへの換金、旅行先の服装の確認、観光先のチケットの購入など、色々めんどくさいことが多いと思います。旅行会社にこれらを代行してもらうこともできますが、その分、追加料金がかかります。
それでも多くの方が海外旅行に行きますよね。
それは、上述の色々な手間や時間、多くコストがかかったとしても、海外旅行に行って得られる「開放感」や「楽しさ」というメリットが手間より大きいため、海外旅行へ行きたいという「価値」が生まれます。
しかし、もし現状よりかなり円安が進み、例えば旅費が現在より1.5倍になったらどうでしょうか?
分母である「行う犠牲や労働・出費」の部分、ここでは旅費が1.5倍大きくなりますから分母が大きくなりますので相対的に「価値」が下がるため、海外旅行に行くことをためらう人も出るのではないでしょうか?さらに追加で燃料サーチャージの増額やビザを取得するなどの追加費用や手間が発生した場合はどうでしょう?
さらに分母が大きくなり、旅行に行く「価値」が小さくなることが容易に想定されます。
洋服を購入する場合はどうでしょう?スタッフが「これ最新作でよく売れていますよ」と言ってきても、よく売れてる=みんな着ている、最新作では値引きがないなど、その服を着た時の「得られるメリット・対価」をあまり感じないかもしれません。分子が小さいままなので、その結果「価値」が大きくならず、なかなか購入まで進まないと思います。
3回目のワクチン接種も同様で、分母である「行う犠牲や労働・出資」に該当すること、例えば接種に行くための予約、接種後の副作用、罹患した際の重症化リスクなどと比べ、接種した際の分子にあたる「得られるメリット・対価」、例えば接種した際の行動範囲の拡大、社会的理解、濃厚接触者の定義の変更、多くの感染者が毎日発生していることによって感染が身近なものになった、など分子部分である得られるメリットが1回目、2回目の接種時に比べで低下しているため、ワクチンを接種した際に得られる「価値」が大きく低下し、ワクチン接種が進んでいないと考えられます。
政府がいくらTVのCMで3回目のワクチン接種を推奨しても、前述の通り国民がその「価値」を感じていなければ接種率が上昇することは難しい状態となります。
「価値」を高めるためには分子である「得られるメリット・対価」を上げることが重要となりますので、例えば3回目を接種すれば、旅行や食事、買い物などに使用できるクーポン券や割引券を受け取ることができるなどのメリットを国民に享受するなど、分子を大きくすることができれば接種率は上がると思います。
いずれにせよ、得られるメリット・対価の向上、もしくは行う犠牲や労働、出資を小さくすることが接種率の向上につながると思います。皆さんは、いかがお考えでしょうか?
まとめ
- 人に物事を即すには、動いてもらうための「価値」が必要
- いくら良いものでも、人が「価値」を感じなければ購買行動には至らない
- 得られるメリットや対価が行う犠牲や労働/出費を上回った場合「価値」が発生する。
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