インターネットのショッピングサイトで例えばAという商品を購入する時、どのようなストアから購入をされますか? 理由は色々あると思います。
価格が安い、ポイント還元率が高い、関連商品の品揃えが豊富、ストアのクチコミ評価が高い、などでしょうか?
インターネットショッピングでは顧客から見た各店舗の差別化が非常に難しく、選択肢がどうしても価格や還元ポイント、品揃えに偏りがちです。 私はワイモバイルユーザーですのでYahoo ショッピングを利用しますが、5の付く日キャンペーンでいつもよりポイントが還元されて、かつ安いお店で購入しますので、特にお店にこだわりを持った購入の仕方は行っていません。よって、最安値のお店が表示されれば、そこで購入します。お店が私のような顧客に対しリピートさせるためには最安値、ポイント還元意外、私を繋ぎ止める方法はないですね。
最近、スマートフォンの低価格戦略にてdocomo、SoftBank、auがインターネット申し込みにて基本料金の安いプランが導入されていますが、これらは全てwebにて申し込みをしなければなりません。本当に売るつもりがあるのか考えてしまいます。
価格的にもサービス的にもどの会社も大差がなく、差別化もほぼされていません。さらにwebにて申し込みとなるとご年配の方はなかなか敷居が高い状況でしょう。逆に考えると、低価格のサービスは提供はしていますが、今、携帯やスマホをお使いのご年配の方はWebでは他社に変更はできないので、そのまま継続使用するだろう、ということで利益をそのまま確保しようという考えなのでしょうか。 おそらくご年配の方は現状維持バイアスが多分にかかるので変更はしないでしょうし、インターネットはあまり明るくないでしょうし。しかしながら通信料は高いとは感じているはずです。
そう考えると、お店で対人にて対応が可能な環境で、プランの切り替えは業者に行なってもらい、高い利用料から切り替えができるのであれば、ご年配の方でも切り替えはスムーズに行くはず。また、そのお店はいつも買い物に行っているスーパーの中にある、など。
と、考えた時に、最近ワイモバイルがお店でサポートできますよ、といったCMを大々的に流しているのを目にしました。
まさにこれは、格安スマホの価格以外の差別化であり、docomo、auからの乗り換えを促し、またワイモバイルはSoftBankグループなので社会的安心感も顧客に与えることができる。店舗もイオンなどの大手スーパー内にかまえているので、もし問題が発生してもすぐ相談に行ける。そういった安心感、サポートというサービスを提供している。この安心感やサポートは重要で、何かあればサポートしてもらえるという安心感があれば、今後他社に切り替わるリスクも少なくなり、継続して使用頂くことによる収益が計算できます。
固定客を作る方法になりますが、大手家電量販店ではなく、街の電気屋さんが行っている方法に似ていると思います。人は情の生き物です。いつもお世話になっているからこの店で買う、と言った行動は誰にでもあることです。それはやはり対人でしか発生しないものであり、インターネット上ではなかなか起こり得ない情ではないでしょうか。なので、対人によるサポートを行っている点で今後ワイモバイルが低価格スマホでシェアの伸ばすかもしれませんね。ちょっと注視していきたいと思います。
あとはどこまでご年配の方の現状維持バイアスを払拭できるかでしょうね。
スマホの切り替えについての感覚は、
- 切り替えは面倒くさい
- インターネットは使えない
- 手続きは自分でできない
- でも、電話代は高いと思っている
といった感じでしょうか。ここに現状維持バイアスがガッツリ入ってくるので、なかなか切り替えるという衝動には走りません。
ご年配の方には、長期的なお得感ではなく、直感的に徳と感じるもの、今、この時点ですぐに使えるお得感を提供することが、現状維持バイアスを変える効果的な方法だと思います。スーパーに行ってもチラシを見て、欲しいものではなく安いものを購入する、ポイント還元率が高い日に買い物客が増えることからも、目の前のメリットが重要であることが見えてきます。
ありきたりではありますが、例えば70歳以上の方が他社から乗り換えたり、 新規加入した場合、シニアキャンペーンとしてなんらかのクーポンを提供する、などはどうでしょうか。ただしそのクーポンは特別なものを購入するためのクーポンではなく、いつも顧客が定期的に購入する、買う必要があるものが購入できるクーポンであり、家計で助かるものである、など。外食などのクーポンをもらっても結局期限切れで使わないこともあり、いっときのお得感のみで、本当に役に立つものがよりメリットを感じていただけると思います。これは現状維持バイアスを解いていただくための一つの方法と考えます。
イオンの店舗でキャンペーンを実施しているのであれば、加入していただけたらイオンでその場で使用できるクーポンを渡す、など。
であれば、スマホの乗り換え手続きをしている間に買い物をしてもらうなど、買い物をクーポンでおこなっている間に格安スマホに変更できている。もちろん、クーポンなどの配布は色々な制約があるかと思いますが、対人で行うのであれば、 人と相談できるメリットをフル活用し、安心感とお得感の提供を積極的に行うことが重要かと思います。
差別化というとどうしても製品の差別化が最初に思い浮かぶと思いますが、サービスにおける差別化、形のない圧倒的な信頼や安心感、話をする心地よさなどのサービスによって差別化ができれば、同じような製品でも他社に負けないと思います。もちろん業態にもよりますが、今回の格安スマホであればワイモバイルは他社と違う戦略かと思いますが、皆さんはいかがでしょうか?