【経費の感覚】

東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は28日、競技会場でスタッフ向けの食料が消費期限前に廃棄されていたと発表しました。 

この記事だけでなく、おそらく毎日、選手村等でもたくさんの廃棄がされているのでしょう。大会組織委員会は業者に対して必要な費用を払っており、業者はその分の食事を用意しているのですから、今回指摘されるまで、これが問題とは思ったこともないのでしょう。このお弁当の費用は税金なんですよね。自分のお金ではないから、こんなにお弁当がいるの?、とか考えないんでしょうね。 今回、公になっただけで、1つ1,000円とすると4百万円、オリンピックで提供されているのですからもっと単価は高いでしょう。まったくもって無駄なお金です。

このようなことは、別にオリンピックの大会組織委員会に限ったことではありません。 

会社でも同じようなことをしている方が少なからずいます。 

例えば、読みもせず、位置調整だけで廃棄の資料をカラーコピーで印刷する人、web会議で使用するためのテレビを価格も見ず国産の4Kの大きなテレビを購入する人、寮住まいで昼間は出社しているにもかかわらず、帰ってきたら暑いからといって一日中つけっぱなしで出社する人、などなど、いくらでもいます。 

共通していることは、これらは自分のお金ではなく、会社が支払っているということ。会社のお金なので自分の懐は痛みません。よって悪びれることもなくそのような行動を行なっています。 

自分のお金であればどうでしょう?

家のプリンターであればペーパー代、インク代がかかります。インクも純正ではなく互換性を購入したり。テレビも自分の家に合うサイズ・目的にあったものをディスカウントの交渉をしたり一番安いネットストアで購入し、会社に行く時にエアコンも電気も消して出勤します。皆さんはどうですか? 自分のお金は大事ですよね?

会社で使用したの上記のお金は経費であり、それは「販売管理費」として計上されます。「販売管理費」ということは、「売上総利益」から引かれますので結果「営業利益」が減ることになります。利益が減るということは、最終的に会社の儲けが減るわけですから、結果、自分たちに還元されるはずの給料・ボーナスが減る、ということに気づいていません。 

たかだかコピー代で、と思われるかもしれませんが、カラーコピーが1枚30円、白黒コピーが1枚2円、1枚たった28円かもしれませんが、1日100枚として2,800円、1年の稼働日が240日として672,000円の経費がかかります。これは一人分ですから、1,000人の会社で皆同じようなことをすると6.7億円にもなります。自分だけなので問題ないと社員全員が思った時、6.7億円もの大金がコピー代だけに使われ利益が吹っ飛ぶわけです。エアコン代しかり、備品しかりです。 

にもかかわらず、会社の給料が上がらないと嘆く方がおられますが、そういう方は往々にして経費に関して感覚がずれており非常に疎い方です。そのお金がどこから捻出されているか理解していません。

今回のオリンピックのお弁当の廃棄、会社の経費もそうですが、世の中で起こっている無駄にお使うことは結果的に税金などに上乗せされたり、給与が増えないなど自分に跳ね返ってくると思います。必要な経費はもちろんしっかりと売り上げを上げるために使用するべきですが、無駄な経費は自分のお金を使う時と同じように考え、節約する考えをもつ必要があると思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか? 

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