11月も中旬になってきて、本屋さんにも年賀状の本がたくさん並ぶようになりました。 近年は、インターネットの普及で年賀状を出す方がかなり少なくなってきたようです。
私は5年前、その年に頂いた年賀状に記載されたコメントがご縁となり、今の仕事につくこととなりました。
現在の上司とはたまたまご縁があり、会うことはありませんでしたが昔から年賀状のやりとりはしており、年賀状で近況報告は行っていたのですが、1月に転職活動を行っていた際、「そういえば年賀状に仕事のお誘いのコメントがあったなあ」と何気に思い出し、ダメもとで現在の上司にメールでコンタクトを取ったことがきっかけで、現在の会社につながっています。
プライベートに於いていつもある程度繋がっている友達などであれば、年賀状の代わりにLineやメッセージアプリなどを用いて年始の挨拶をしても良いと個人的には思います。
ただビジネスにおいての年賀状は、その目的が多少異なります。
SNSやLineは相手と「つながること」が目的になっているので、いつでも連絡が取れるというメリットがあります。
一方、年賀状を送る相手は、以前お世話になった方、普段なかなかお会いすることができない方へのお礼や近況報告を行うためのものです。年賀状は本来「お世話になった人への新年の挨拶と感謝の言葉を伝える大切な役割を果たすもの」ですから、特にビジネスに於いてはSNSやLineのようにただ『つながること』が目的ではなく、日ごろお世話になっている上司やメンバー、関係する方々へ感謝の意を表し、新年を祝う言葉と共に変わらないお付き合いをお願いする気持ちを込めて送るために行います。今後もその関係性を望むからこそ年賀状を出すわけです。
ただし、年賀状に自身でコメントを記載しないようであれば仕事でもプライベートでも出す必要はないと思います。その年賀状はお礼やご挨拶ではなく、ただ形式的に仕方なく慣習で行っている「業務」となっているからです。年賀状を出す方ももらう方もただ作成する負担が増えるだけですのでやめたほうが良いでしょう。
もちろん、年賀状は矯正するものではありませんし、年代や立場、人の価値観などによっても捉え方は違ってきますので、その人に応じたご挨拶の方法をとれば良いと思いますが、年賀状について面白いデータがありました。
少し古いデータですが、2014年に20 代から50 代までの会社員・男女500人を対象にトレンド総研が行った調査によると、年賀状を送っている人の方が、送っていない人の平均年収より140万円も多いという結果になったそうです。
「社内の人に年賀状を出しているか?」という問いに対する回答別の平均年収は年賀状を出す人「535万円」、出さない人「395万円」となり140万円の差となりました。
年代別で見ると、20代では33万円、30代は137万円ですが、50代では215万円もの差があったそうです。
年賀状で年収が上がるわけではありませんが、年賀状を手書きで書いたり、コメントを書いたりする人は、普段からのコミュニケーションを大事にしており、年賀状も年に一回しかないチャンスと捉え、コミュニケーションツールの一つとして使用しているため、年賀状をもらった方から良い印象が残るのではないでしょうか。良い印象が残れば、普段から付き合いのある方はよりコミュニケーションも取りやすくなるでしょうし、普段合わない人であれば、ふとした事で思い出してもらいやすくなり、何かの拍子にコンタクトを取ってくれるかもしれません。
たかが年賀状かもしれませんが、前述の年収の違いにもあったように、年賀状の作成を手間や業務と捉えるか、それとも自分をアピールする場と捉えるかによって、人生が大きく変わるかもしれません。
年配のお客様や上司は年賀状のあった時代を生きてきた人たちです。年賀状を時代の流れといって切り捨ててしまうのではなく、年賀状をもらった時にその人がどう思うかを考えることもマーケティングの考えだと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか?
まとめ:
- 年賀状は有益なコミュニケーションツールではないか
- 年賀状の作成を手間や業務と捉えるか、それとも自分をアピールする場と捉えるかで人生が変わるかもしれない
- 時代の流れといって年賀状を切り捨ててしまうのではなく、年賀状をもらった方がどう思うかを考えることもマーケティングではないか