1990年代後半からずっと不況が続いており、それに伴いデフレも長らく続いております。
最近は節約評論家などと呼ばれる方が現れ、テレビで節約法を指南しているなどを見ていると、節制節制と言われているようでなんだか悲しくなってきます。
それだけ世の中での感覚では経済成長が見られず、子供のこと、老後のことも考えて出来るだけお金を使わない、家計にも優しくと、安いものが日本中に浸透しているということでしょう。
今の日本では、商品を購入する上での基本的な考えは、価格が安いということがあげられます。その上で、ある程度品質も良いということが良いことではないでしょうか。
ポジショニングマップで言うとこんな感じでしょうか。
品質がある程度よくて、価格が安いと言うことは、ある程度の生産時のボリュームが必要であり、販売数量に物を言わせて、薄利多売の戦略を打てるところが強くなります。いわゆる大手が行う戦略です。
100円均一しかり、100円寿司しかり。牛丼屋しかり。デフレですのでこのようなビジネスが世の中に浸透していますが、果たして本当にそれだけでしょうか。
安価なものは、有れば良い程度のものが多く、ないと困る、と言うものではないように感じています。100円均一で売っている片付けのためのケースなどもあれば便利ですが、なくても別に大きくは困りません。
ショッピングとして、ちょっと欲しいものを色々購入できるのは100円均一の魅力として感じている方もおられるのではないでしょうか。
100円寿司に関しても、昔に比べると本当に美味しくはなりましたが、もっと美味しいものが食べたければ、もう少し高い回転寿司に行きますし、100円寿司は手頃な価格で手軽にお寿司を食べれることにメリットを感じます。
上記のように、デフレによる場合にお客様が求めているものは価格であることが多いですが、全てが価格ではなく製品の品質や価値に対価を求めている顧客も多く存在します。
デフレだからといってなんでも価格重視というのはマーケティング的にはよろしくないです。お客様が求めているものに対して価値に見合った価格設定が必要です。
例えば最近はテレワークされる方も多く、通勤時間がないのでゆっくりと朝食を求める方もおられるようです。
ゆっくり優雅に朝食を食べることなど、共働きではほぼ不可能だったことが時間的余裕ができ可能となりました。それによって、食パンや米などの主食、ベーコンや納豆などの副食も増加しており、朝時間の余裕と健康を保つための意識の高まりが朝食欠食率低減につながることに期待がかかっているようです。
優雅な朝食というとホテルのブレックファーストを想像してしますが、色々な種類のおかずがあり、ゆっくりと美味しく味わうことができます。
私の場合、普段の朝食といえば食パンを焼いて、バターを塗って、コーヒーと一緒に流し込む、みたいな朝食が主流でした。これはサラリーマンが昼ごはんを食べる際に時間がないので、ただご飯をお腹に入れるだけのため数分で食す、駅の立ち食いそばと同じような感覚でしょうか。どうせじっくり味わうことはないのだから、朝食は「早くて安いもの」というポジショニングがパッと浮かびます。
しかし、ゆっくりと朝食を食す場合は、食事を作る、美味しく食すことが想定に入るので、「早くて安いもの」とは違うポジショニングが生まれてきます。
最近、近くの食パン専門店の食パンもよく売れているのを目にします。一斤800円と非常に高価ですが、かなり売れているようです。
朝食を「美味しく頂く」ことで、結果栄養のバランスも良くなり、精神的にもリラックスでき「健康を保つことができる」ことにつながっているのでは無いかと思います。たかが食パンでも各お店で色々工夫されていますから味も風味も違い、スーパーで売っている食パンとは明らかに違うことがわかると思います。
価格は真似されたら終わりですから、あとはどこまで耐えられるかのチキンレースになります。市場を見極め、製品がよく、独自性があれば、真似をされるリスクも少なくなるため、販売価格も維持することができ利益を長期間確保することが可能となります。
市場が閉塞し、なんでも安い方が良いような風潮が世の中にはありますが、市場のニーズにあった製品であれば高価格帯でも十分市場に受け入れられる製品があると思います。
皆さんは如何お考えでしょうか。