【顧客ニーズ】一流料理人に認められたものが本当に美味しいものなのか?

「一部の意見が100%の意見ではない」というお話です。

とある番組で、コンビニエンスストアやファミリーレストランの従業員一押しランキングtop10を一流料理人にジャッジしてもらうという企画があります。企画的には私は面白く、たまに見ているのですが、一流料理人のジャッジがフルマークのスイーツなどは翌日のコンビニではそれらのスイーツがほとんど品切れになっており、テレビの影響力が伺えます。プロモーション戦略としては大きなインパクトがありますね。 

で、ご多分に漏れず、私もそのスイーツなどを購入し食すのですが、テレビの一流料理人が絶賛しているほど私は美味しいとは感じたものは少なく、コンビニのスイーツだけでなく、レトルト製品やファミリーレストランのランキングなどもそんな感じがしました。逆にランク外のものや低評価でもすごく美味しく感じるものもたくさんあります。

このテレビを見て感じたことは、「一流料理人などの感覚値が優れている人は、味などに非常に厳しい」という感じがすることです。それはそうです。料理人ですからね。ただ、一流料理人が美味しいと言っても「ん?美味しいか?」と首を傾げる料理もありませんか? おそらく美味しいと思う感覚が違うんでしょうね。私は、某牛丼もランチ700円くらいでも美味しかったー、と思える味覚です。 食にそこまでこだわりがあるわけではなく、ハンバーガーも牛丼も唐揚げも普通に美味しいと思うタイプの人間です。多分、普通の感覚ではないでしょうか。美味しいものを追求するとやはりコストが上がります。ランチで2,000円超えると美味しくても高すぎて手が出ないですし、その2,000円ランチに良い味覚を感じ、お金を払える方が一流料理人の方ではないでしょうか。

例えば、一皿100円の回転寿司で味について一流料理人がジャッジすると、マグロは不合格になることが多いようです。水っぽいとか、マグロの味がしないとか色々言われています。しかし、そもそも100円で色々なお寿司を食すことができることが凄いことであって、ディナーで数万円もするものを取り扱っている一流料理人にジャッジされたら、100円寿司ではそれは基本的に厳しめのジャッジになるでしょう。 

もし、私がより美味しいお寿司を食べたければ、高級寿司料理店に行くか(まあ行けませんが)、一皿数百円するもう少し高級な回転寿司に行くでしょう。100円の回転寿司は「高級な料理であったお寿司を家族で楽しくリーズナブルにお腹いっぱい味わいたい」という顧客をターゲットにしているので、別に大間のマグロを食したいから来店する顧客ではありません。中学生男子2人の子供を持っていたとしたら、とんでもなく食べますからね。たまったもんじゃありませんよ。でも100円寿司ならなんとかなるという、私も含めた2,000円のランチではなく牛丼を食べる顧客がターゲットです。 

もちろん美味しいことに越した事はないのですが、テレビで一流料理人と大衆が求めていることは違います。一流料理人が言っていた味を追求したことで、コスト削減のためにシャリを少し小さめにしました、ネタを少し小さめにしました、全て一皿一貫にしました、なんてことが起これば本末転倒です。回転寿司の会社には味を追求するあまり、コスト、量、質、味のバランスを間違わないでほしいな、と思います。味は普通でいいんです。某テレビ局の芸能界格付けチェックでも、高いワインと安いワイン、大間のマグロとスーパーのマグロなど良いものを普段から食べているであろう芸能人でも高級食材を味で見抜くことができない、人間の味覚なんか曖昧なものです。普通のものが普通に美味しいと感じることができる食べ物が一番です。それも100円で。 

そもそも各回転寿司のチェーン店は大量に魚や米を購入しているので、どこのチェーン店でもそんなに味に大差はありません。最近はスーパーでも普通に美味しいお刺身が食べれます。あとは自分の好みの酢飯の味やネタの大きさ、種類、新鮮さなどで選べば良いわけで、一流料理人のジャッジで不合格となったマグロでも私は美味しく頂きます。ちなみに私はコーンの軍艦巻きが一番好きです。回転寿司に行けば2-3皿食べてしまいます。おそらくテレビの一流料理人の方では100%不合格にするお寿司だと思いますが、私はコーンの軍艦巻きで回転寿司を選んでいるといっても過言ではありません。 

今回のテレビは「一流料理人に認められた寿司」という、回転寿司のコマーシャル戦略と考えますが、あくまで実際にいつも食べにきてくれるお客様の声が大事であり、庶民、大衆を無視して一流料理人の声に耳を傾けすぎて味を追求してしまうあまり、コストアップ、量が減るなど、コスト、量、質、味のバランスが崩れてしまうと本当のお客様を失いますよ、っという話です。ターゲットとしている顧客を見極めた上で、その顧客の望んでいる方法で改良してもらえればと思います。 

ちなみに、もし、コーンの軍艦巻きがなくなれば私は家の近くの回転寿司には行かないです。(笑) 

一流の意見も大事ですが普段からのたくさんの顧客の意見がより大事です。

会社でも一人の発言力の強い人が言った内容が、その製品の作成や改良の100%の意見として反映されてしまうことはないですか?往々にしてそういった製品は市場では全く売れない、会社では負の遺産になったりします。

「一部の意見が100%の意見ではない」というお話でした。皆さんはどう思われますでしょうか?  

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