JALとANAの機内食がnet通販で売れているようです。
「全日空は2020年12月に国際線エコノミークラスの機内食を2回に分け販売し、いずれも数日で計1200セット(1万4400食)を完売した」とのことでした。
また、AERA 2023年3月6日号の記事では、コロナ禍で機内食のネット販売をしたところ、これまでに185万食も売り上げた、とのことでした。
人が旅行する主な動機として、現実からの逃避欲求(温泉でゆっくりしたい)や新奇性欲求(いったことのないところを探検したい)といったものがあります。
海外旅行に行く際に、国内旅行と最初に違うところはエコノミー席でも機内食がある、という点です。
機内食を選ぶ(ビーフorチキン?)行為が旅行にいっているという高揚感とテンションを上げます。旅行先で何をしようか考えてドキドキ、わくわくしますね。機内食は、海外旅行にいく際の一番最初の楽しみになっているわけです。
もの凄くおいしいか?、といわれるとなんとも言えませんが、機内食を「食する」という行為が上記の逃避欲求を満たしています。今回、ANA、JALの機内食の販売は、まさに観光客の欲求、実際には海外旅行に行くことのできない旅行者に、逃避欲求を満たすことができる製品だと考えれらます。
価格は、12食9,000円ということで、リーズナブルであり、これで欲求が満たされるのであれば大満足でしょう。
同じように欲求を満たす、ということであれば、小学校の給食が食べられるお店、というものもあります。
コッペパン、揚げパン、カレーなど、自分が小学生だった当時を懐かしむ、もう絶対に戻ることのできない当時を振り返ることができるようなお店です。
大人になると仕事で現実から逃げたくなることもある、心が傷つくこともある、そんな現状から、子供のころの純粋だった当時の気持ちを振り返ることができる体験を「食」として提供する、というものです。
これも1つの逃避(現実逃避)であり、現実を一度リセットしたいという思いをかなえてくれるものとして提供され、人気があるのでしょう。
駄菓子やも子供のためのお店ですが、当時を懐かしむ親が意外とはまってお菓子を選んでいるところを目にします。
いつ旅行ができるのか見通しが立たない、絶対に子供には戻ることができない、という満たされない欲求を解決することが新たなビジネスチャンスになっている、良い例かと思います。
現状のコロナ禍で、皆さんいろいろなストレスがあると思います。そのストレスを解放する(逃避欲求を満たす)ための手段として「旅行」や「食事」があり、このコロナ禍の状況でそれが叶わないのであれば、
今後「自宅にいながら日常生活から解放されるもの」に新たなビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?